おまちかねの懇親会
懇親会は、金石にあるKさんいきつけの居酒屋でおこなわれた。普通の居酒屋なのに地元の食材が新鮮なので、一品一品がすこぶるおいしい。金石はすぐそばに港があるため、特に刺身は絶品だった。この刺身なら毎日食べれる。
懇親会の場でKさんが、「古家物件ツアーの会費はもっと高くていい。本来ならもっと価値があるはずだ」としきりに主張していた。たしかにこれだけ短時間で空き家見てまわれるイベントなんて、早々ない。購入意欲の高い投資家にとってはありがたいかぎりだ。物件を揃える再生士もいろいろ大変なんだろう。
懇親会の費用をはらおうとする段になって、Kさんがしきりに「会費しか払わなんの? もっと払ってもええで」と聞いてくる。お釣りくれといっているのに一万円札をつかんだまま離さない。その姿たるや小銭をせびる大阪商人である。払いませんと、一言ずつ区切りながらいう。ここは断固拒否だ。みずから協会のルールをつくっておいて、自分で逸脱しようとする行為は、自己矛盾じゃないか。相変わらずむちゃくちゃな人だ。
正直一万円くらいは払ってもいいのだけれど、その場合は物件購入したときに発生する相談料をなしにしてほしい。それくらいであれば釣り合いがとれる。おそらく協会の仕組みとして、成功報酬を割高にして相談員料をとっているのだろう。その分物件ツアーは安価にして、多くの投資プランナーが参加できるよう配慮している。投資プランナーは様々な人がいる。成り立ての人から品定めでいろいろ見てまわっている人、ベテラン投資プランナーまでそれぞれの投資選好にバラツキがある。Kさんの言い分は一理あるが、間口は広くするという意味では、現在の物件ツアーの方が理に適っている。
総括
二時間ほど経過したところでタクシーを呼んでもらい、居酒屋をあとにする。本日いっしょだった女性の方と、いろんな物件がありますねと会話しながら、金沢駅にむかう。今回の金沢エリアは物件の種類が豊富だった。住宅街、店舗付き物件、街ナカ物件といろんなタイプの古家があって、見ているだけで楽しい。
特に金沢市は都市なので住宅を建てる土地面積が限られている。その分コンパクトな作りとなっている。それをリフォームすると、2LDKや3LDKの戸建ができあがる。それが狭くもないし無駄に広くもないちょうそいい間取りとなる。金沢の古家のコンパクトさは、賃貸向きなのだ。
また投資家目線でいうと物件購入代とリフォーム代が半々くらいになるので、投資のバランスも印象がいい。高岡だと家は広いし部屋は多いし、リフォームしたはいいけどどうすんのこれ? みたいな不安に駆られるが、そういったこともない。むしろ高岡の家は三世代同居する大きな家族にむけた住まいで、そもそも戸建賃貸を想定していない。あたりまえだけど。
そういう意味で金沢の物件は、なにかと収まりがよい。さらに賃貸需要を考えると金沢がもっとも多いし、となれば北陸エリアで古家投資するなら断然金沢有利となる。
タクシーに乗りながら女性の方は「金沢は大きな街だから、わたし買えない。わたしの実家なんてもっと田舎だし」と話していた。古家投資ということでもっと少額な物件をイメージしていたのかもしれない。オンライン受講しているともっと少額で投資できるような錯覚におちいる。なので、オンラインと物件ツアーで投資額のギャップにぶつかる人は相当程度いるのではないか。ギャップを埋めるには、何度も物件ツアーに足を運んで自分で納得するしかない。最後の決断は、やっぱり自分だ。