金沢をとびだし鶴来へ
ここから金沢市街地にある空き家をまわるのかとおもいきや、一気に鶴来へ足をのばす。山側の環状道路をひたすら南下し、車は白山市へとむかう。ここでふと疑問が湧く。鶴来って金沢エリアなんだろうか? 鶴来といえば、白山神社を祀る中心地。どちらかというと小松エリアのイメージなのだが。
ちなみに自分は石川県の生まれだが、鶴来には行ったことがない。行ったことはないがけっこう田舎なのは知っている。
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スーパーの駐車場に車をとめて物件にむかう。途中の街並みは街道の面影があり、古い建物がのこっている。なかなかいいところじゃないか。ただし観光でくるにはだけど。
目当ての物件に到着したところで、Kさんが鍵がないと言いだしはじめる。わざわざ鶴来まできておきながら、内見できないってそんな話はない。鶴来にきて外観だけ見て帰る。悪い想像がふくらみ、場の空気がざわつきはじめる。焦り気味にポケットをあさっていたKさんが鍵をとりだし、ガチャガチャやっていると鍵があいた。一同、ほっと胸をなでおろす。いちばんほっとしたのはKさんだろうけど。
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建物のなかに入ると、店舗付きの物件になっていた。カウンターが中央にドンとある。おお、かっこいい。これはいい。思わずテンションがあがる。単純な住居ではないため入居者は限られるが、将来お店をやりたい人にはいいだろう。
ただし金沢で店舗をもつのとはわけがちがう。場所が鶴来だけに、豊富に入居者がいるわけではない。鶴来でお店をやりたい人はいても、古家物件でお店をやりたい人となるとかなりレアだ。家賃と入居者を天秤にかけるが、いかんせん相場が読みにくい。運良く入居者がついたとして、鶴来というコミュニティでうまくやっていけるかどうか。それを考えるとリスクが大きい。移住、店舗、鶴来。いろいろな条件をよみこむが、投資となるとかなり勇気がいる。
とはいえ普通の戸建賃貸だけでなく、店舗もできるという点は発見だった。古家投資のあらたな可能性をかんじる。
移動中に話しこむ
前回の富山ツアーから聞きたいことがあったので、鶴来から金沢にもどる途中に、Kさんに根掘り葉掘り聞いてみた。リフォーム後の入居付や管理会社のこと、また物件ツアーの仕組み作りや全古協での過去の失敗談について。失敗に失敗を重ねながら現状のかたちがあるという。なるほど。経験者のことばには重みがある。
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融資も利用したいのだがどうしたらいいかと相談すると、個人で借りるとなれば日本政策金融公庫になるが、実際に個人属性もあるため一概に利用できるかどうかはその人次第とのことだった。それから「高岡の物件を購入したら融資の申込してみては?」と水をむけられる。翻訳すると、融資については専門外なので下手なアドバイスができない。やってみるのがいちばん早いから自分でやってみな、ということらしい。なんでもかんでも再生士というわけにはいかない。