いざ物件ツアー
両親が高岡にある海王丸パークにいくというので、当日は高岡駅まで送ってもらった。いざ高岡駅につくと待ち合わせ時間まで一時間ほどあり、駅構内建物のクルン高岡で蕎麦を食すことにした。そのあとカフェにはいって時間をつぶす。
さておまちかねの再生士Oさんのとのご対面である。OさんはMAジャンパーにジーンズというラフな出立ちで、明るくて朗らかな印象だ。名刺交換をおえると、駐車場を指さし、もうひとり付き添がいるから車のあるほうに移動してくださいという。
──はて、もうひとりの付き添いとは？
車の停めてある駐車場にむかうと、愛想のない顔をしたおっちゃんが立っていた。とりあえず、名刺交換する。おっちゃんの名刺には株式会社カラーズバリューの取締役とかいてある。
カラーズバリューってなんか聞いたことあるな。なんだっけ。思い出せない。でも取締役ってことは、偉い人だよな。
謎の人物
株式会社カラーズバリューは、一般社団法人全国古家再生推進協議会が認定する工事会社だ。全古協をとおしての古家は、再生士さんがリフォームプランを策定し、リフォームを手掛けるスキームとなっている。客付をする投資家とリフォームを担当する再生士は、二人三脚の協力体制にある。もともと株式会社カラーズバリューは大阪からはじまったリフォーム店で、全古協のたちあげにも深く関わっており、認定工事会社のなかでは筆頭の立場にある。その全古協をたちあげた重要人物Kさんが目のまえにいるのだが、はじめて会ったときはそんなこと知る由もない。
職人ぽいおっちゃんだな、くらいにしか思わない。
この時点で僕は困惑している。
Oさんは再生士で、今回の古家物件ツアーを案内してくれる人で、仲良くなっておくのがよい。かたやKさんはというと、再生士ではないのよな、でもいっしょについてきてくれるのだからリフォームする人なのかな。というか、誰なんだろうこのヒトは？ という疑念に駆られている。
正直いうと、はじめてKさんと会ったときは不審の目で見ていた。
──このおっちゃん何者なんだ？
富山とまちがう
じつはこの日の富山エリアの古家物件ツアーで、ちょっとしたトラブルがあった。自分以外に参加する人がもう一名いたのだが、その人は高岡駅ではなく富山駅に行ったらしい。
そりゃ行くよ。
だって富山エリアって謳ってるし。
実際、全古協のイベント情報にもJR富山駅と記載している。これですんなり高岡駅にたどりつくほうがむずかしいだろう。富山駅にいったのを、参加者の注意不足と責めるのはいささか酷だ。
ちなみに富山エリアの古家物件ツアーは、一般会員二名の参加だった。投資プランナーに資格をもった人の参加はゼロ。物件のなさなのか、エリアの魅力なのか。地方エリアの人気のなさを物語っている。